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腸管出血性大腸菌感染症(O157など)に気をつけましょう!
腸管出血性大腸菌感染症とは
「O157」や「O26」などの腸管出血性大腸菌感染症は、一年を通じて発生しますが、気温が高くなる初夏~初秋にかけて多く発生します。
感染経路は、手指や食品を介した経口感染です。
感染すると、2日~9日の潜伏期間を経て、腹痛、水様性下痢、血便、発熱などの症状を引き起こします。重症の場合は、溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こし、命にかかわることもあります。
特に、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は、感染しやすく重症化しやすいため、十分注意してください。
腹痛や下痢が続くなど、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
腸管出血性大腸菌とは
大腸菌のうち、ヒトの腸管内で病気の原因となるものを腸管内病原性大腸菌(下痢原性大腸菌)といいます。このうち、ヒトの腸管内で毒性の強いベロ毒素(ベロトキシン)を産生して出血性の下痢などを引き起こすものを腸管出血性大腸菌といいます。代表的なものとして、「O157」や「O26」などが知られています。
牛などの腸管内に存在する菌で、その糞便などを介して食品や水を汚染し、汚染された食品や水を摂取することでヒトの体内に入って感染します。
少量の菌でも発症し、感染力も強いので、菌に感染した人の便や手指などを介して、ヒトからヒトへの二次感染も起こるので注意が必要です。
菌は熱に弱く、75℃で1分以上の加熱で死滅します。
予防方法
食品を取り扱う際の予防方法
- 食品は、中心部までしっかり加熱(75℃で1分以上)しましょう。
- 食肉の生食は控えましょう。腸管出血性大腸菌はもちろんですが、それ以外にもサルモネラ属菌、カンピロバクター、E型肝炎ウイルスなどに感染する危険性があります。
- 包丁、まな板、ふきんなどの台所用品は、使った後はすぐに洗剤と流水でよく洗浄し、熱湯などで消毒しましょう。
- 野菜や果物などの生食用の食品に使うまな板と、肉や魚などに使うまな板は分けましょう。
- 井戸水など、水道水以外の水を使用する場合は、必ず消毒(煮沸など)しましょう。水道水は塩素で消毒されているため、基本的には安全です。
- 流水とせっけんによる「手洗い」を徹底しましょう。
食中毒に気をつけましょう!
食肉の食中毒に気をつけましょう!
腸管出血性大腸菌O157等による食中毒(厚生労働省ホームページ)
食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント(政府広報オンライン)
ご注意ください!お肉の生食・加熱不足による食中毒(政府広報オンライン)
日常生活での予防方法
- 流水とせっけんによる「手洗い」を徹底しましょう。
ヒトからヒトへの二次感染に対する予防方法
- 患者の便を処理した後は、流水とせっけんによる「手洗い」を徹底し、消毒しましょう。
- 患者が便をした後は、トイレを消毒しましょう。
- 患者の入浴は、シャワーのみにするか、順番を最後にしましょう。
施設管理者へのお願い
抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は、感染しやすく重症化しやすいため、保育所、学校、社会福祉施設などの施設では、集団感染に注意してください。
腸管出血性大腸菌感染症以外にも、ノロウイルスによる感染性胃腸炎やインフルエンザなどに注意が必要です。
日頃から、施設内での感染予防対策を徹底いただくようお願いします。